新潟市中央区の西堀前通りにある笹川餅屋は140年以上餅作りを続ける老舗です。
現在は6代目となる笹川太朗さんが中心となって、昔ながらの手法で餅や笹団子、まんじゅうなどを作っています。
特に笹団子はその味や香りの良さ、柔らかさなどに根強い人気があります。
今回は笹団子を中心に、この笹川餅屋の人気の理由をご紹介します。
笹川餅屋の笹団子はどうしておいしい?
笹団子ならどの店のものでも同じ?
ところが、そうではありません。
店によって原料や笹、そして作り方にも少しずつ違いがあります。
私は学生時代に駅の売店で売っている笹団子を食べて、ごく普通のよもぎ団子のような味だと思っていました。
ところが笹川餅屋さんの笹団子を食べて、こんなにおいしい団子があったのかと驚きました。
やっぱり100年以上続いている老舗の味は格別なのです。
店主の笹川太朗さんによると、1964年の新潟国体のときに4代目の笹川勇吉さんが、新潟県と新潟市から新しい新潟土産を作るように依頼され、従来の作り方を改良して日持ちの良い笹団子を作って、売り出したことがきっかけで全国的に有名になったとのことです。
6代目の笹川太朗さんも、この作り方を継承し原料や笹にこだわり、従来通りほぼ手作りを貫いているのです。
最近は農家の方々の高齢化で笹やよもぎが、手に入りにくくなっているそうです。
それでも外国産の笹では味が変わってしまうため、笹川さんは、みずから笹の収穫を手伝いに行き、上質の笹の葉を確保しています。
そんなところにも、本物の意気込みを感じます。
数人の従業員さんがいますが、手作りであるため、1日に作れるのは繁忙期ピーク時に800~1000個です。
そのうち半数は地方発送に回され、全国各地に届けられています。
笹団子は出来たてが一番おいしいです。
笹川餅屋では、早朝の4時ぐらいから仕事を開始し、その日の笹団子を早朝と午前中の二回に分けて作っています。
早朝は他の製造も一緒にするので、朝一番にできている笹団子の量は少ないですが、8時にはお店に並ぶようにしています。
これから上京しようとする人でも、出来たての笹団子を買ってから、列車に乗ることもできるわけです。
お土産用に、朝作られた笹団子をその日のうちに届けて、みんなで食べれば、味が最高なのもうなずけますね。
笹団子以外にもおいしい和菓子があります
笹川餅屋さんは餅屋さんです。
切り餅各種も販売していますが、夏場は予約注文となっています。
その他に季節の餅菓子を中心に、正油団子、豆大福(夏季お休み)、黒糖まんじゅう、かぼちゃまんじゅう、笹田舎まんじゅう等を販売しています。
変わったところでは、冬季限定で焼鮭をベースに作った鮭まんじゅう、そして夏季限定の水ようかん、水まんじゅうなどもあります。
このうち笹田舎まんじゅう、かぼちゃまんじゅう、黒糖まんじゅうを食べてみました。
笹田舎まんじゅう
うっすらと笹の色に染まったまんじゅうの皮が爽やかな香りがしました。
少し、塩味のきいた皮に包まれた、甘いあんこがよく合っていてとてもおいしかったです。
かぼちゃまんじゅう
小豆餡ではなくかぼちゃをベースにした餡が中に入ったおまんじゅうで、見た目は明るい黄色できれいです。
かぼちゃ餡は思ったよりも違和感がなく、おいしく食べられました。
小豆餡が苦手な人でも食べられる和菓子です。
黒糖まんじゅう
黒糖の味は控えめで、素朴な味でした。
皮がもう少し、もちっとしていたらさらにいいかなと思いましたが、おいしく食べました。
新しい商品開発にも取り組んでいます
最近開発したものとしては、笹団子をイメージしたかき氷があります。
かき氷に笹の粉末を使用した自家製シロップをかけ、お団子に使用するあんことヨモギを使った自家製白玉をのせて和風に仕上げてあります。
夏季限定ですが、若い人や子どもたちに人気があります。
また新潟小学校の小学生が企画する古町スィーツ作りにも参加して、新しいお菓子作りに協力しています。
店主さんは「これからもここにしかないものを作りたい。またお客さんの希望にそうものを作りたい」と抱負を語っておられます。
140年も続く笹団子の老舗「笹川餅屋」さんのとびきりおいしい笹団子をぜひお試しください。
「笹川餅屋」
住所:新潟市中央区西堀前通4-739
アクセス:JR信越本線、越後線、白新線「新潟駅」よりバス10分古町下車徒歩約5分
TEL:025-222-9822
営業時間: 8:00~18:00
定休日:不定期(1月1~3日休み)
追記:品物がなくなり次第閉店となることがあります。