毎日のあわただしさから離れて、心身のリフレッシュをしたい!
たまには芸術にも目を向けたい!
そう思うことってありますね。
そんなとき訪ねるのにぴったりの場所が、新潟市中央区にある「砂丘館」です。
この砂丘館の歴史と、現在の楽しみ方をご紹介しましょう。
かつては住宅として使われていた砂丘館
砂丘館の正式名称は「旧日本銀行新潟支店長役宅」です。
1933年に、新潟市中央区西堀前通りから現在の西大畑に移転しました。
日本銀行の新潟支店長の内、8代目~37代目の計30人の支店長さん一家が住んでいた場所なんですよ。
1999年に日本銀行がこの支店長役宅を売却することになったとき、これを文化財として残したいという市民の要望を受けて新潟市が買い取りました。
その後2000年から一般公開され、現在では貸室や喫茶スペースが作られています。
砂丘館という通称は、この建物を管理する民間団体が提案し名づけられました。
いかにも砂丘の一番上に建っているという感じがして、わたし含め多くの市民に親しまれています。
砂丘館の敷地は523坪、延べ床面積は152坪もあり、支店長一家が住むには相当広いものでした。
当時は家族が10人以上いることも珍しくなく、多くの使用人がいたこともあって、このような大きな建物が必要だったのです。
新潟市の中心部にありながら、砂丘寄りの静かな場所にある砂丘館は、そこに行くだけで静かなたたずまいを楽しむことができます。
しかし、単に建物や庭園を見て楽しむだけでなく、展示や催し物を行い、芸術や文化に触れる場所として市民に開放されています。
砂丘館の見どころ
砂丘館は広い敷地に10部屋以上もある和室、それに頑丈な蔵があります。
庭には四季折々に花を楽しめる草木が植えられており、灯籠や景石も置かれています。
奥庭には芝生があって、当時はガーデンパーティーもできました。
お座敷から心静かに庭を眺めるのは、なかなかいいものですね。
建物全体は和風ですが、玄関脇には広々とした洋間の応接室や書斎もあります。なかなかハイカラな造りです!
支店長の住まいということもあり、支店が災害にあっても、この家で銀行の業務が続けられるように配慮されていました。
展示品が並ぶ蔵は、当時は金庫として使われていたんですよ。
砂丘館は、単に建物や庭を眺めて楽しむ以上に、芸術文化施設としての役割を果たしています。
貸室となる居間、座敷、茶の間、奥座敷、蔵などでたくさんの催し物があります。
美術品の展示や音楽鑑賞会、ダンスや落語の会や展覧会など、ちょっとのぞいてみたくなります。
また、生活文化の体験として、神楽などを見ることもできます。
生の神楽を見ることは普段の生活ではなかなかできないので、貴重な体験となりますね。
毎月イベントが盛りだくさん!
わたしが訪ねた9月25日から11月4日までの期間は、新潟市出身の画家栗田宏の展覧会が開かれていました。
ほかにもイベントは多彩で、これから予定されているものの一例を挙げると次のようなものがあります。
- 2024年11月21日~12月15日 佐々木實展 イヒ
- 2024年12月14日 Fabio Bottazzo Tanaka Toshiyuki Duo Live
- 2024年12月20日~22日 平原慎太郎 臘月
- Shintaro Hirahara solo dance performance Rogetsu(December)
どれも見逃せないイベントですが、特に平原慎太郎の公演は4年ぶりだそう!
ぜひ見たいです。
これらは、砂丘館のホームページや新潟市の広報誌「市報新潟」、また各種のSNSにも掲載されています。関心のあるイベントを見逃さないように、わたしもこまめにチェックしていますよ。
歴史的なお部屋をレンタルすることもできちゃう!
砂丘館では、居間、茶の間、座敷、奥座敷、蔵を貸し出しています。
基本的な利用料金は、1時間当たり200円~350円と比較的安価。おもに展覧会やコンサート、会合、教室などに利用されているそうです。
わたしの友人の画家は他県に住んでいますが、静かで海の見えるこの街が気に入っているそう。特に寒くて新潟らしさが味わえる冬に、砂丘館で個展を開いています。
友人が言うには、デパートの催事場や公民館の一室を借りるのとは違った風情があるのがいいんだそうです。
個人でも団体でも借りられる貸室を個人やサークルの発表の場として、利用してみるのも悪くないですね。
喫茶や売店に立ち寄るのも欠かせません?
喫茶スペースや売店コーナーもあります。
喫茶スペースではコーヒーや紅茶、抹茶、甘酒などの飲みものが注文できます。
わたしは抹茶豆乳を飲んでみました。
洋風のカップに入った抹茶豆乳は渋みがあって、甘さもちょうど良くおいしくいただきました。
建物や庭、展示物を見たあとは、広いお部屋でゆっくりと飲み物を片手にくつろぐのもいいですね。
売店コーナーには絵葉書やメモ帳、書籍などが並んでいて、訪問の記念になりそうな商品もありました。
わたしは絵葉書を集めるのが趣味なので、さっそく1セット購入することに。
この地域にちなんだ手描きの絵をもとにした絵葉書で、ほかではあまり見たことのないものでした。
館長の大倉宏さんのお話しによると、砂丘館の来場者数は多い年で年間15,000人ほどだそうです。
入場無料で時間制限もない砂丘館は気軽に行けて、自然と芸術に触れ、心と体をリフレッシュするにはピッタリの場所です。
砂丘館
住所:新潟市中央区西大畑町5218-1
アクセス:JR信越本線、越後線、白新線「新潟駅」より浜浦町線C2系統、観光循環バスで約13分「西大畑坂上」下車徒歩約1分
TEL:025-222-2676
営業時間: 9:00-21:00(冬季期間は19:00まで)
定休日:月曜日(祝・休日の場合は翌日)、祝・休日の翌日(その日が土・日曜の場合は直近の火曜日)
*冬季期間及び臨時休館日はホームページでご確認ください