新しい日本の風習「夏詣」をご存知ですか?
わたしたち日本人は大晦日に「年越しの大祓」で1年の罪やけがれを祓い清め、新しい年を迎えるとそのはじまりとして、その年の平穏を願い神社や仏閣へお参りをするのが「初詣」です。
「夏詣」とは、その初詣から約6ヶ月たって本格的な夏を迎える時期に、同じく罪やけがれを祓い清める「夏越しの大祓」を経て、半年間の感謝とこれから来たる半年のさらなる平穏を祈るべく、1年の半分という節目に神社、仏閣へお参りすることを呼びます。
今回は、新潟市を千年以上もの間見守り続ける新潟の総鎮守、「白山神社」へ夏詣に行ってきました。
境内を彩る色とりどりの風鈴たち
千年もの歴史があるこの神社。
私自身も七五三から高校受験の合格祈願、学芸の上達などをお祈りしたりしたことがあります。
私だけではなく両親も祖父母もこの神社にはお世話になっていたりと、新潟市民にとっての象徴といえる神社なのです。
特に私が好きなのは夏の白山神社の風景です。
夏の白山神社では、楽しいひとときを過ごせるたくさんのおまつりだけでなく、心を癒してくれる風景に出会えます。
街からさっそく境内に入ると、色とりどりの風鈴がお出迎え!
取材させていただいた時期には、40個ほどの風鈴が飾られていました。
美しい音や風景に心が洗われるようです…。
6月末より行われる「七夕風鈴まつり」では、風鈴の飾られているポイントも増え、その数はなんと1000個以上になるそうです!
多くの人々の願いや思いが込められた音色が、一斉に夏の空に響いていく様子は圧巻です。
夕暮れ時の空に溶け込む風鈴が、ほんのり懐かしいような、ホッとするような気持ちにさせてくれました。
手水から受け取る黄龍さまのメッセージ
本殿にてお参りを済ませてから、神社に行ったら必ずやっているもう一つのことをします。
それは、おみくじ!
白山神社にはたくさんのおみくじが売られていますが、私が気になっていたおみくじを引くことに。
それはこちらの「水みくじ」。
おみくじ料は300円です。
黄龍さまがいるこちらの手水におみくじを浮かべると、お告げが浮き出てくる不思議なおみくじです。
金龍ともいわれる黄龍さまは、新潟市に流れる信濃川中州の白山神社を聖地とし、新潟および日本の鬼門(災いがやってくるとされる方角)を守る厄除けの守護神です。
天変地異があるたびに御霊をあらわし、難を救ってくださるのだそうです。
手水は紫陽花で美しく飾り付けられており、初夏の装いとなっていました。
ちなみに、冬季はお休みだそうです。
おみくじを手に、いざ黄龍さまのいらっしゃる手水へ!
すると…
結果が出てきました!
運勢は小吉で、些細なことに気を遣いながら静かに過ごすのが良さそうです。
しかし自分の気持ちに素直に過ごすことも大事であるというメッセージもあり、これからの励ましになる内容でした。
昔から水害や地震などの自然災害から新潟の地を守ったり、豊作のための恵みの雨を降らせたりと、大地、水をつかさどる龍の神様は、力が強く強い加護を得られる反面、厳しい神様なのだそうです。
これからの半年を、気を引き締めて過ごさねば!と心機一転することができました。
引いたおみくじを結び、白山神社の境内にある黄龍神社へ参拝するまでが水みくじです。
この神社ではおみくじをくくる行為からも、神様のご加護を得ることができます。白山神社の御祭神である菊理媛(くくりひめ)大神様は、家内安全、商売繁盛、交通安全、縁結びのご加護を得られるとされています。
くくりひめの「くくり」は物と物を結びつける力のことで、何もないところからすべてのものを生成する力をお持ちです。
おみくじをくくることによって、開運へつながるパワーをいただきましょう!
夕暮れ時はライトアップで幻想的に
お参りを終えると、ライトアップされた手水周辺が幻想的な雰囲気になっていました。
黄龍さまもライトアップによって輝きを増し、昼とは違った荘厳さがあたりに漂っています。
取材した時期は日の入りが遅く、あたりもまだ明るかったのですが、ライトアップによって風鈴が違った表情や色味を見せてくれる点も面白かったです!
白山神社には、安産祈願、縁結び、商売繁盛、金運上昇、芸能と美の上達、心身を整えるための参拝コースがあるので、あなたの人生をより良くするパワーをもらえます。
現在の新潟市はこの白山神社を起点にし、古町通など今も残っている町がつくられました。
新潟市のはじまりの地ともいえる白山神社のさまざまな美しい景色を楽しみながら、神様へ半年のお礼を伝える夏詣で、新潟の暑い夏を穏やかに過ごすことができるよう心体を整えてはいかがでしょうか?
新潟総鎮守 白山神社
アクセス:JR越後線「白山駅」から徒歩約15分