気軽に行けて、誰でも芸術を楽しめる画廊!新潟市中央区にある「新潟絵屋」

日々の雑踏を離れて、絵や美術品を眺めて、心の休息をとりたいと思うことはありませんか?
立派な美術館でなくてもいい、入場料を払わなくても、気軽に行ける所があったらいいな!
そんな願いをかなえる場所の一つが新潟市中央区にある画廊「新潟絵屋」です。

新潟絵屋では年に20回ほどの企画展をおこない、市民の文化生活に貢献しています。
今回はこの新潟絵屋をご紹介します。

新潟絵屋のこれまで

新潟絵屋は新潟市中央区上大川前通10番町にあります。
大通りから見るとちょっと古風な民家という感じで、近代的な建物の中にある画廊とは一味違うことは誰にでもすぐに分かります。

この新潟絵屋がなぜこのようなところにあるのか、またどんなことをしているのかを代表の大倉宏さんに伺いました。

この新潟絵屋がスタートしたのは、2000年6月。
大倉さんは若いころから美術に興味があり、自室に絵を飾ることで、その部屋全体の雰囲気が変わることに気が付きました。

それ以来、大倉さんは各種の美術品を展示して、見ていただく場所を造る。
そしてその展示品を欲しい人には買っていただいて、自宅でも楽しめるようにすることを考えるようになったのです。

大倉さんのアイディアに賛同する9人余りの人が集まってこの画廊、新潟絵屋ができたのですね。
この古風な建物は、もともとは大正時代の米問屋の家屋でした。
柱や当初の漆喰壁などはそのまま残し、和紙をはった壁や新たな土壁、格子戸などを加えて昔ながらの家のような空間を展示室としました。

2007年に現在の場所に移転するときも、建物を解体し元通りの古い民家の形で残しています。

こうすることで、よくある白い壁に囲まれた人工的な展示室とは違う、日常的な家の雰囲気の状態で美術品を楽しむことができるようにしたのです。
また、気に入ったものを買って自宅や仕事場に持ち帰っても、周りの状況にすっと溶けこめることも見越しているわけです。

展示されている作品や売店の物品は、買って帰って家でゆっくりと楽しむことができます。
病院の待合室、会社の一室に定期的に絵を掛けかえる活動もしているそうです。

現在おこなわれている企画展は?

新潟絵屋では毎年20回ほど企画展をおこなっています。

今回は梅田恭子さんの銅版画の展示がおこなわれていたので、見せていただきました。

スペースいっぱいに、梅田さんの銅版画がたくさん飾られています。
新潟絵屋の古い壁に掛けられた銅版画は、ごく自然な感じですっかりこの場所に馴染んでいるように見えました。

また、「1ペイジの本」というテーマで、絵とともに点字の説明もあって、目の不自由な人が触って絵を楽しむことができるようにしたという画期的なものもありました。

一般的な美術館では、展示してある絵に触ることは厳禁と言われていますね。
でも梅田さんはあえて目の不自由な人にも、絵を体験して欲しいという願いを込めてこの展示を企画されました。

つぶつぶの点字を触るとなんだか異次元に入ったような気持ちになります。
目の不自由な人が、梅田さんの絵を触り、点字に手を置くと別世界に入ることができるのかなという不思議な気持ちになりました。

また、梅田さんの絵をプリントしたコットンバッグや絵葉書も販売されていました。
白地にうっすらと梅田さんの絵がプリントされたバッグは、ほかでは手に入らない逸品ですね。

絵葉書収集家のわたしは、梅田さんの銅版画の絵葉書を買いました。
これで、当分の間、梅田さんのやさしいタッチの銅版画を自宅で楽しめそうです。

梅田さんは他県に住む版画家ですが、新潟の自然が気に入り、またこの新潟絵屋の古いたたずまいが好きなのだそうです。

新潟を気に入ってくださる画家もいると思うと、市民としてちょっと誇らしい気持ちになりますね。

これからおこなわれるのは?

新潟絵屋では、このような企画展を毎年開催しています。
2025年の内でもごく近い時期の企画展をご紹介します。

2月14日(金)―27日(木)バク銅谷展
3月1日(土)―14日(金)野中光正展
3月16日(日)―29日(土)津田真帆展

また新潟絵屋では、新潟周辺の展覧会を紹介するギャラリー&ミュージアムマップを毎月発行していますよ。
ここには相当数の展覧会情報が載っています。
新潟市内では、予想以上にたくさんの画廊があり展覧会が催されていることが分かりますね。
画廊はどこも新潟絵屋と同じように入場料なしで見て楽しむことができます。
これから静かに絵や美術品を楽しみたい方々、ぜひ新潟絵屋や周辺の画廊の展覧会へお出かけください。

新潟絵屋
住所:新潟市中央区上大川前通10番町1864
アクセス:JR信越本線、越後線、白新線「新潟駅」よりバス約30分「北前船の時代館」下車徒歩約5分
TEL:025-222-6888
営業時間: 11:00-18:00
各企画とも最終日は17:00まで
定休日:特になし
入場料無料

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。